今回は以下のように、「海外は怖い(怖そう)」と不安を抱えている人に向けた記事です。

留学に興味があるけど滞在地域の治安が心配…

初めての海外で安全に過ごすコツが知りたい!

海外で病気や事故、トラブルに巻き込まれたらどうしよう?
留学アドバイジングの一つとして、渡航者に危機管理指導をした経験のある筆者が解説します。
社会人留学を控えている人は、以下の記事も必見です👇
海外の緊急事態に使えそうな英語(英単語)は、以下の記事で紹介しています👇

この記事の目的
まず、この記事の目的をまとめます。

初海外・留学の方に、海外留学や旅行で遭遇する可能性のある「危険の種類」と「対策」を事前に把握してもらうことが目的の記事です。
人は、不安や心配事の正体がわからないとストレスを抱えます。
たとえば「海外は日本ほど治安が良くない」と知っていても、具体的に何が危険か知らなければ、対策の立てようがありませんし不安は消えません。

この記事で「危険/トラブル」の中身を把握することで、不安を減少させ、必要な準備をし、より安心安全に過ごしていただければと思います!
また「家族から留学を反対されている人」に関しても、この記事を役立てていただけると思います。
反対するのは、あなたと同じように「何が危険かよくわからなくて心配だから」というケースが多いからです。
あなた自身がリスクについて学び、対応できることを説明すれば、ご家族を説得することもできます。

「対応できる」といっても、100%危険を回避できることはありませんが。少なくともリスクを減らすことができる点を説明すれば、安心されるのではないかと思います。
【海外は怖い?】危険、トラブルに巻き込まれやすい事例と対策
海外で危険・トラブルに巻き込まれやすい事例にはどんなものがあるのでしょう?また、どう対策すればいいのでしょうか。

危険度の高いものを中心に、事例をまとめます。

実際に海外に行った知人から聞いたり、仕事で対応した事例のほか、独自にリサーチした情報も混ざっています。
スマホや地図などに気を取られている時
まずは、海外でスマホや地図などに気を取られている時です。

特に都心部の、人通りの多いエリアで注意が必要です。
スマホや地図に気を取られている間に、スリやひったくりに遭う可能性があります。

下を向いていることになるので、もし怪しい人が近づいてきていてもすぐには気付けないでしょう。
実際に、観光地で写真を撮っている間に、背負っていたリュックから財布を盗まれた知人がいます(スマホでの写真撮影に夢中になり、怪しい人の接近に気づけなかった事例です)。
初めて訪れる地域の場合、道をスマホや地図で調べることがあるのは当然だと思います。
完全に使用しないというのは、現実的ではありません。
ですが可能であれば、探索する予定のエリアはあらかじめホテルなど安全な場所で下調べしておくことをおすすめします。

その場で調べる必要が生じた場合は、周囲に怪しそうな人がいないか確認し、所持品をしっかり抱えた上でリサーチをすると良いでしょう。
心配であれば、貴重品はボディバッグに入れて前側に抱えると安心です。
危険エリアに立ち入った時
次に注意したい事例は、海外で危険エリアに立ち入った時です。

日本とは異なり、海外には現地の人でも立ち入ることを控える治安の悪いエリアが存在します。
そういったエリアを把握しないで行動することは大変危険なので、事前にどのエリア・町が危険と言われているのかをリサーチしておきましょう。
たとえば以下の方法で調べられます
- 「国名(都市名) 危険エリア」で検索する(日本語または英語検索)
- 外務省のウェブサイトから調べる
- 留学エージェントのウェブサイトをチェック
- 渡航先の領事館のウェブサイトで調べる
外務省のウェブサイトは、以下のリンクからアクセスできます。
リンク先の地図を2回クリックすると情報が得られます。感染症危険情報と危険情報の2種類があります。
人通りの少ない道を歩く
次に海外で危険な目に遭う事例は、人通りの少ない道を歩くことです。
近道だからといって、人通りのない路地裏を歩くのは、地域によっては危険な行為です。
特に治安が良くないとされる地域では、昼間であっても一人歩きは避けたほうが無難でしょう。

何かあってもすぐには助けが呼べません……
夜間に出歩く
夜間に歩くのも、可能な限り避けたほうが無難です。
日本に比べ海外では閉店が早く、夜間に何かあっても助けを求めて商店に駆け込むことが難しいです。
もしも飲み会などで遅くなった場合は、タクシー・Uberを使ったり、友人に迎えに来てもらうなど工夫が必要です。
また、仕事が遅くなったなど、どうしても歩かなくてはいけない時に備えて、防犯ブザーや護身用のペッパースプレーなどを持っておくのもいいでしょう。
白タク
次の海外の危険な事例は、白タクです。

地域によっては、一般のタクシーを装い客を呼び込み、法外な料金を請求する無許可営業のタクシー(=白タク)が走っています。
近年では、日本人ツアーのガイドを装い客を呼び込もうとする運転手もいるそうです。
- 空港などでは正規のタクシー乗り場から乗る(場所は事前に調べておく)
- 出迎えを依頼している場合は、担当者の名前、連絡先、見た目の特徴を事前に確認しておく
- 乗車前にタクシーメーターがあるか確認する
ことで被害を防げます。
迷惑電話
次は、迷惑電話です。

私の滞在するカナダではよくかかってきます。
電話の内容は、様々なものがありますが
- 政府機関を装って個人情報(SINナンバーや銀行情報)を聞き出そうとしてくるもの
- セールス関係の電話
などがメジャーです。
(参考)セールス電話などへの対応方法(カナダ在住者向け)↓
スキミング
海外でよくあるのが、スキミング被害です。

スキミングとは、スキマーと呼ばれるカード情報を不正に読み取る機械を使い、クレジットカードやデビットカードなどから情報を盗み出す犯罪のこと。
読み取られた場合、カードを複製され、自分の口座から勝手にお金を使われてしまいます。
被害に遭うのは主に以下の場合と言われています
- 屋外やコンビニにあるATM(スキマーや、暗証番号入力時の手元を撮影する小型カメラを設置しやすい)
- お店でカード決済するタイミング(店員がスキミングに加担しているケースor店側も知らない内にスキマーを仕込まれているケース)
- 満員電車(非接触型カード※の場合)
※非接触型カード:交通系ICカードや一部のクレジットカードなど、かざすだけで支払いができるカード。
手口は巧妙化しており完全に防ぐことは難しくなっていますが、以下のような対応を取り被害を最小限に抑えることができます
- ICカードに変える(従来のカードよりセキュリティに優れている)
- 複数枚のカードを所持する
- 屋外のATMは使わない
- カードの使用履歴を定期的にチェックする(不正な取引があればすぐに気づける)
- 暗証番号を定期的に変更する
- 暗証番号を入力する時は周囲を確認する&手元を隠す
- スキミング防止の財布を使う
- カード会社の連絡先と連絡フローを確認しておく(被害に遭った場合を想定し)
「スキミングの機械がどのようなものなのか」を知っておくことも重要です。
怪しいATMに気付ける可能性が上がるからです。
この動画は英語ですが、機械や小型カメラがどういう見た目や大きさで、ATMのどこに取り付けられやすいのか、わかりやすく説明しています。
スキミング防止の財布について補足を少々。私はスキミング防止機能のついたパスポートケース(兼お財布)を使っています。
↓のものは私が使っているものではありませんが、似ているので紹介します。
首から下げられる点もポイント。スリの多発する地域に行く時は、「首から下げ、ケース本体を服の内側に入れて」歩いています。
女性や子供に油断する
特に欧州で発生している犯罪に、女性や子供グループによるスリがあります。
女性や子供だとつい油断をしがちですが、男性でも被害に遭っています。
公共交通機関を利用する時は周りの人に注意し、鞄をしっかり閉め、お腹側に抱えることが重要です。
アンケート詐欺
これは実際に知人が被害に遭いそうになった事例です。
パリでアンケートを依頼され、記入して両手が空いた隙に鞄を奪われそうになったそうです。
(アンケート依頼者とは別に、鞄を盗む役がいた)
フランスではこの手の犯罪もメジャーなようです。
公共の場で寝る
海外において、公共の場で寝るのは危険なことがあります。

バンクーバーにて、知人がバス乗車中に居眠りし財布を盗まれました。
日本では公共交通機関で寝ていても比較的安全なので、油断する方が多いのはわかります。
(日本だからといって100%安全とは言い切れませんが。私はうたた寝している隙に男性に密着されたことがあります)
国に限らず、公共の場では所持品をしっかり持って、可能な限り起きていることが望ましいです。
パーティー
パーティーで提供される食べ物(お菓子)の中に、薬物入りのものが混ざっているケースもあります。
例えばカナダでは2018年に大麻が合法化されたので、大麻が比較的身近にある環境です。
有名な商品に酷似した、違法な大麻入りお菓子も。(※通常のスーパーには売っていません)
大人が保持していたものを子供が誤って食べてしまう事故が発生し、深刻な問題となっています。
↓参考動画(英語)
(引用)https://abc7ny.com/cannabis-edibles-warning-snacks/11170044/
現地で仲良くなった人が使用しているケースもあるかもしれません。
日本では大麻取締法において、大麻を所持すること・譲受(購入を含む)等については違法とされ、処罰の対象となっています。
この規定は、海外滞在中も適用されることがある、とのこと。
よく知らない人もいるパーティーなどでは特に注意し、中身を聞いてから口にするようにしましょう。
(参考)
席を離れる
カフェや図書館などで席を離れる際、日本のように鞄で場所取りをすることは避けましょう。
盗んでくださいと言っているようなものです。
大学キャンパス内での盗難事例もありますので、学校でも油断は禁物です。
荷物を置いて一時的に席を離れたい場合は、周囲の人に荷物を見ておいてもらうように依頼しましょう。
荷物の運搬を頼まれる
見知らぬ人から荷物を運んで欲しいと依頼されることがあります。
ただ、その荷物というのが実は麻薬で、知らないうちに運び屋にさせられ罪に問われるという事例があるので注意しましょう。
良い人そうに見えても、知らない人から不用意に物を預かるのは危険です。
(参考)知らない人から物を預かった人の話。この方は数少ない大丈夫だった方の事例です↓

車上荒らし
日本でもある犯罪ですが、車上荒らしは海外でもメジャーです。
最近ですと、サンフランシスコのベイエリアで被害が多発しているそうです。
窓ガラスを壊して強引に盗んで行く事例も。知人は不運にも、車内にパスポートを置いていたタイミングで車上荒らしに遭いました。
車内には貴重品を置かないようにしましょう。
バーで席を離れる場合
海外のバーで席を離れる場合も注意しましょう。

日本でも近年問題になっている犯罪。一瞬の隙をついてターゲットの飲み物に薬を混入し、意識を失わせた上で暴行や盗難を行うというものです。
トイレなどで席を立つ時は飲み物を飲み切るか、持っていくようにしましょう。
見知らぬ人から貰ったドリンクにも注意です。
好意で奢ってくれる人もいるので、もしも奢ってもらう場合には、自分でバーテンダーのところに取りに行きましょう。
家探し
特に女性の場合、家探しをする時は1人で行かない方が無難です。
屋内でオーナーと二人きりになり、性犯罪の被害に遭うケースがあります。
出会い目的で広告を出しているケースも。
やむを得ず一人で行く場合もあるとは思いますが、その場合でも、
- 連絡を取っている過程で不審に思うことがあればキャンセルする
- 警察にすぐ通報できるよう携帯を握りしめておく
など対策を取ると良いでしょう。
偽警官
一部地域では、偽警官による犯罪があります。

麻薬所持の検査と称し、手荷物を見せるよう指示し貴重品を盗んだり、カードの提示や暗証番号を聞き出そうとするなどが主な手口。
欧州全土で見られます。現地警官の制服がどのようなものか、行く前に調べておくと安心です。
警察手帳を見せてきたとしても、それが偽物の可能性もあるので注意。
危険度の高いスポーツ
海外で注意したいのは、危険度の高いスポーツです。
危険度の高いスポーツというのは、山岳登はん(ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマー等の用具を使用する登山)やスカイダイビング、ハンググライダー、ロッククライミング、ボブスレーなど。
事故や怪我のリスクが高く、通常の海外旅行保険では補償の対象外であることがほとんどです。
もしも滞在中にそういったスポーツを行う予定があるならば、保険会社に補償内容を確認して、別途それらをカバーできる特約などをつけるのが無難です。
食中毒
食中毒は、衛生環境の整っていない地域、生水が飲めない地域、暑い地域で注意が必要。
水は気をつけていても、氷(氷入りの飲み物やかき氷)が盲点で、食あたりになる事例もあります。
初めて訪れる地域では、観光客向けの飲食店に行くのが無難です。
魚介類や肉、野菜を食べるときはしっかり火が通っているか確認しましょう。
カットフルーツにも注意です。
(引用元)
狂犬病
海外で怖いのは狂犬病。注意が必要な地域もあるので、地域情報を調べ、必要な場合は予防接種をしておきましょう。
家具の破損
海外の家具や家電は、日本のものと使い方が異なり、意外と戸惑うことがあります。
ホームステイ先でたまにある話ですが、使い方がわからないのにホストに遠慮or英語に自信がなくて聞けず、自己流で使い壊してしまうというパターンです。
もしも使い方がわからなければ、恥を捨て、聞くことが重要です。
また、保険によっては家財の破損なども補償対象になることがあるので、もしも壊してしまったら、加入している保険会社に確認してみると良いでしょう。
ホームステイ先とのトラブル
海外であるのが、ホームステイ先とのトラブル。

これまで、ホームステイ会社と留学者の仲介役として述べ200名くらいお世話をしてきましたが、「ホストと合わない」「ステイ先を変えたい」という相談はたまに受けました。
ただ、そこまで多くはありませんでした。(全体の10%弱くらいでしょうか)
基本的には、みなさん意思疎通の難しさや文化の違いに多少戸惑いつつも、充実した経験をされていたようです。
ただし、契約した内容が全く守られていない、身の危険を感じる、日常的に暴言を吐かれるといった場合は、現地ホームステイ会社か担当のエージェント、警察などに相談してください。
シーズンによっては代わりのホストがすぐには見つからないこともあるので、本当に危険を感じる場合以外は希望通りの時期に引っ越せないこともあります。
いずれにしても、ホームステイはあくまでもビジネスなので、大きな期待をしないで行くことをおすすめします。
もちろん、ホスト業に誇りを持っていらっしゃる方もいますが。
そういった方に巡り会えたらラッキーですね。
海外が怖いなら知っておくと安心なリンク・連絡先
最後に、海外留学/旅行前に参照すると安心なリンク、控えておくと安心な連絡先を紹介します。
海外安全ホームページ
海外旅行者の危機管理に役立つ情報が、網羅的に掲載されています。

外務省「安全の手引き」
外務省では、渡航する国(都市)に応じた、防犯対策マニュアル(安全の手引き)を公開しています。

例えばカナダ・バンクーバーのリンクは以下です
https://www.vancouver.ca.emb-japan.go.jp/files/100232708.pdf
現地で起こりうる犯罪、現地の主要医療機関、保険会社やクレジットカード会社の連絡先までまとめられているので便利です。
たびレジ、オンライン在留届
「たびレジ」は外務省が提供する、渡航先の安全情報をメール(日本語)で配信してくれる無料サービス。
(登録は任意)
また、大規模な事件・事故、テロ、自然災害等緊急事態が発生した時は、被害状況により、
現地の大使館・総領事館から、緊急連絡のメールが届くこともあります。
安否確認や必要な支援などを受けることができ、安心です。
「オンライン在留届」も外務省に届け出るもの。
こちらはたびレジとは異なり、
外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する日本人であれば、提出することが法律で義務付けられています。
登録しないことで処罰されることはありません。
しかし、万が一滞在国で大規模な事件・事故、テロ、自然災害等緊急事態等が発生し
現地邦人を保護する必要があった場合に、届出をしていないと保護を受けられない恐れがあります。
(リストにいないので、当然なのですが)
よって、3か月以上の長期滞在をする方は、入国後忘れないうちに登録することをおすすめします。
登録自体は難しくありません。
帰国したら帰国届の提出もお忘れなく・・・
(何年も前に帰国した方が、本当に帰国したのかの問い合わせを受けたことがあります。多分帰国届を出し忘れたのでしょう。)
予防接種
渡航先や留学の種類によっては予防接種が必要な場合があります。
以下のリンクでは、日本国内で特定の予防接種が受けられる医療機関を検索できます。
現地消防、警察、救急車の番号
あなたは、滞在先の消防、警察、救急車の番号をすぐに言えますか?
万が一の際にスムーズな連絡ができるので、最低限覚えておきたいところです。
保険会社の連絡先
海外で生活していると、思わぬ事故、病気になることがあります。
そういった際に連絡をすることになるのは保険会社。
連絡先もですが、余裕があれば、どのように保険請求するのかの流れも調べておくと安心です。
【海外は怖い:参考】カナダ・バンクーバーの治安はどうなの?

筆者はバンクーバーに暮らしてまだ5ヶ月弱ですが、今のところの印象を記しておきます。
今のところ、危険を感じることはほとんどありません。
【2023年3月更新】
基本的に安全なことは変わりませんが、危険を感じるケースも増えてきたので記事にしました。
また、最近ダウンタウンや郊外での発砲事件、電車内での暴力行為など物騒な事件が起こっています。
在バンクーバー日本国総領事館の調べによれば、
バンクーバーがあるBC州の犯罪発生率は、統計上では日本の約9倍とのこと。
よって人通りの多いところに行くときは、周囲をよく見て警戒するようにしましょう。
まとめ:海外は日本より怖いことが多いけれど対策すれば大丈夫
今回は、海外で起こりうるトラブルの事例と対応方法についてまとめました。
リストアップしたら大量になってしまいましたが、決して脅している訳ではありません。
どうか暗い気持ちにならないでくださいね。笑
不運なことに事件や事故に巻き込まれ、限りある留学生活/旅行が台無しになってしまった人を見てきたので、そんな人が少しでも減れば良いなと思い、記事にしました。
現地の実情を十分に学び、準備をすれば必要以上に怖がらなくて大丈夫です。
海外生活を心おきなく楽しんでくださいね!
社会人留学全般の情報を得たい人は「【まとめ】社会人留学を実現するために必要なもの6つ」もチェックしてみてね!