海外から帰国し、日本の運転免許証を再発行(再交付)したい人に向けて、その方法や手続きに必要なものを解説します。
この記事は、2024年5月にカナダでの社会人留学を終え帰国した筆者が、実際に免許証を再発行した経験をもとにまとめるものです。
海外で免許証を発行する際に現地で日本の免許証を没収された人は、今回説明する手続きをすれば免許証を取り戻せるので参考にしてくださいね。
カナダ・BC州で日本の免許証をカナダの免許証に切り替える方法は、こちらの記事をご覧ください。
【海外から帰国した場合】運転免許証を再発行(再交付)する方法
日本の運転免許証を再発行する方法を解説します。
※正式には「再交付」と呼びますが、イメージしやすいようにこの記事では「再発行」という言葉を使っています。
再発行(再交付)の手順
免許証の再発行の手順は次のとおりです(自治体により、手順が前後する可能性あり)。
- 免許センターに行く
- 再交付申請書、紛失届を出し手数料を払う
- 免許証に使う顔写真の撮影
- その場で再交付される
1. 免許センターに行く
「再発行したい免許証に記載されている住所」がある都道府県の免許センターに行きます。
免許証に載ってる住所が「埼玉」なら埼玉県に行くってことね。
2. 再交付申請書、紛失届を出し手数料を払う
「再交付申請書」、「紛失届(※正式には『運転免許証亡失・滅失等てん末書』)」に必要事項を記入し、手数料を支払います。
この際に、申請用の写真も貼り付けて提出しましょう。
免許証用の写真ではありません!申請用にも写真が必要なことに注意してください!
写真サイズの規格があるので、利用予定の免許センターに確認してください。
3. 免許証に使う顔写真の撮影
申請書類を提出したら、免許証の顔写真撮影にうつります。
係員の指示に従って撮影してください。
4. その場で再交付される
3の写真が載った免許証を受けとって手続きは終わりです。
手数料はいくら?
再交付の手数料は、2,250円※です。
厳密には収入印紙を購入して、再交付の申請書に貼って提出します。
「収入印紙」は政府発行の切手です。手数料支払いの証明になります!
※金額は2024年6月現在のものです。最新の手数料は、最寄りの免許センターのウェブサイトで確認してください。
必要なもの(書類)は?
再発行(再交付)の手続きに必要なものは、次のもの(書類)です。
- 【免許センターで入手】再交付申請書(+収入印紙)
- 【免許センターで入手】紛失届(なくした理由を書く書類)
- 【免許センターでとれるかも?】申請書に貼る写真(免許証の顔写真とは別)
- 身分証(住民票、健康保険証、パスポート、マイナンバーカードなど)
- 破損(汚損)の場合:破損(汚損)した免許証
- 住所変更の場合:そこが住所であることを証明する書類(本人宛の郵便物、住民票など)
つまり、必要なのは身分証(&人によって免許証や住民票)だけで、あとは免許センター内で調達できます。
申請書用の写真は免許センターにスピード写真機があったので、私はそれを使って調達しました。訪れる免許センターにあるかどうか、確認しておくといいでしょう。
なお私は、念のために「紛失前の免許証の写真データ」も持っていきました。再交付申請書に免許証番号や種別を書く欄があったので、持っていった方がいいです。
何日で再発行される?
私の場合は即日で発行されました。
他のかたのケースを見る限りでも、有効期限内の免許証を発行する場合で、書類に不備がなければ即日発行してもらえるようです。
免許証の有効期限が切れている場合は再発行(再交付)できる?
ここまでは「有効期限内の免許証を再発行する」方法を説明しましたが、有効期限が切れていても再発行はできるのでしょうか?
条件によっては再発行可能
条件によっては、「学科試験と技能試験を受けずに」再発行できるようです。
その条件はこのふたつで、どちらも満たす必要があります。
- 免許証の有効期限が切れて3年未満
- 日本に帰国してから1ヶ月以内
なお、免許証の有効期限が切れて3年以上経過している場合は、試験の一部免除は認められず、最初から免許証を取得し直す必要があるので注意してください。
気をつけたい「パスポートのスタンプ」
有効期限が切れている場合、再発行の手続きで「パスポートのスタンプ」を求められることがあるようです。
このスタンプは、日本帰国時に空港の税関でパスポートに押印してもらうものですが、自動ゲートが導入されてから「自分で頼まないとスタンプが押されない」ようになりました!
免許の再発行を予定している場合は、日本入国時、税関職員にスタンプを押してもらうようにしてください。(いえばすぐ伝わります)。
海外にいてやむを得ず免許が失効してしまったことを証明する必要があり、それを日本帰国日で確認しているようです。
国際運転免許証を使って日本国内でドライブできる?
免許証を再発行せず、海外の免許証(国際運転免許証)を使って日本国内でドライブしたい人もいるかもしれませんね。そんなことできるのでしょうか?
国際免許証でのドライブは「条件を満たせば」可能
条件を満たした運転免許証を保持していれば、国際免許証を使って日本国内で運転ができます。
警視庁のホームページに、条件が詳しく載っていたので引用します。
日本で運転できる国際運転免許証はジュネーブ条約締約国が発行し、同条約に定める様式に合致した国際運転免許証です。ジュネーブ条約締約国が発行した国際運転免許証であっても、他の条約(ウィーン条約等)に基づく様式により発行された国際運転免許証では、日本で運転はできません。
日本で運転できる国際運転免許証|警視庁(太字は筆者による)
要は、ジュネーブ条約締結国で発行された、ジュネーブ条約に定められている様式で作られた免許証であればOKのようです。
ちなみに私のいたカナダはこれに含まれるので、カナダの免許証は日本国内でも使えますね。
(他の国については、「ジュネーブ条約締約国等一覧」をご覧ください)
またそれだけでなく「国際運転免許証の発給から1年以内であり、かつ日本に上陸した日から1年以内であること」など、細かなルールがあるので「日本で運転できる国際運転免許証」をご確認ください。
運転時に携帯するものは免許発行国によって異なる
運転可能な国際免許証を持っていた場合、免許証だけを携帯していれば運転できるのでしょうか?
実は、免許証の発行国によって、ルールが違います。
たとえば、特定の国・地域(スイス・ドイツ・フランス・ベルギー・モナコ・台湾)で発行された運転免許証を持っている場合は、「免許証」+「免許証の日本語翻訳」を携帯しなくてはいけません。
そうでない場合は、国際免許証を携帯すれば運転できます。
ただし、日本入国日をチェックされることがあるので、念のためパスポートを持ち歩くといいでしょう(入国の日付をスタンプで確認される可能性あり)。
【海外からの帰国・一時帰国】運転免許証の再発行でよくある質問
海外からの帰国者が運転免許証を再発行する際に、よくある質問をまとめたので参考にしてください!
いつまでに再発行の手続きをすればいい?
再発行の手続きは、有効期限がすでに切れている場合は日本帰国後1ヶ月以内、かつ免許証の有効期限が切れてから3年経過するまでに行う必要があります。
有効期限内であれば、期限内に手続きできると思われますが、念のため申請予定の免許センターにご確認ください。
再発行したら有効期限は延長される?
有効期限内の運転免許証を再発行しても、有効期限は延長されません。
あくまでも、再発行前の免許証に記載の有効期限となります。
たとえば私の例だと、2024年9月が期限の免許証を同年6月に再発行したので、またすぐに更新の手続きをしなくちゃいけません…汗
どの免許センターに行けばいい?
基本的には、再発行したい免許証に記載の住所がある都道府県の免許センターに行く必要があります。
一時帰国で日本の免許の更新だけしたい(日本に住所はない)んだけど……
海外に住んでいて日本に拠点がなくても、一時帰国時に免許の更新はできます。一時滞在先(実家など)を住所として免許証の更新ができるようです。
また、更新期間は誕生日の前後1ヶ月ですが、その前に再度出国しないといけない場合は、特例として更新時期を早めてもらえるようです。
詳しくは「海外滞在中で日本の免許をお持ちの方(免許証を更新する場合)」をご覧ください。
まとめ
今回は、海外から帰国し「日本の運転免許を再発行」する予定の人に、手順や必要なものをご紹介しました。
私が再発行した手順はこちらです。
- 免許センターに行く
- 再交付申請書、紛失届を出し手数料を払う
- 免許証に使う顔写真の撮影
- その場で再交付される
「免許証の有効期限が切れているかいないか」「日本帰国後どれくらい経過しているか」などで手続きは異なります。
(私のケースは「有効期限内」「帰国後1ヶ月以内」に再交付)
自分がどのケースに該当するか確認したうえで、手続きを行なってくださいね。
カナダ帰国時にするべきことはこちらの記事を参照してください。